エビの孵化直後の飼育用の餌として単細胞の珪藻類は不可欠です。藻類などの一次生産者である独立栄養生物には、窒素・リン・ケイ素が高濃度で維持されることが必要ですが、地熱による熱水には、海水の数百倍以上の親生物元素(窒素・リン・ケイ素)が含まれており、高い栄養を含む一次生産者から最高の状態で二次生産者であるエビや甲殻類の養殖が可能となります。当社の使用する熱水は稚エビの成長には最も適しており、熱水の持つミネラル成分も豊富に摂取できます。
※現在は生産に向けての研究開発段階ですので、稚エビなどの販売は行なっておりません。
エビ・甲殻類の完全養殖とは?
完全養殖とはエビ・甲殻類の人工交配から孵化、養殖育成、販売までを一貫して行うことを言います。孵化には、無菌の水と温度、ミネラル・pHの他・光・酸素が必要です。当社の保有する土地から得られる温泉水の成分がエビ・甲殻類の育成に非常に適合していることが当社実験を通じてわかりました。(写真はオニテナガエビの孵化後の写真)
温泉水からできる天然の無菌水
東南アジアや台湾の孵化場では海水を配管で引き込んでおり、海水をろ過し、UV殺菌を行う等の殺菌設備に大きな費用がかかっています。しかし温泉水は地下数百メートルでは200℃を超える超高温、超高圧下にあり、そこでは微生物によるヒートショック等の汚染がないため、そのまま利用できるメリットがあります。
温泉水活用で飼料コストの大幅削減
オニテナガエビなどの東南アジア原産の淡水エビは、熱帯性のため水槽内の温度管理が非常に重要となります。適正な水温は20℃~30℃の間での飼育とされておりますが、弊社では温泉水を活用し25〜27℃での温度管理を行なっております。温泉水を活用することにより光熱費の大幅なコスト削除、また温泉水自体が綺麗なため、エビの品質が向上し、水槽内の環境も良くなります。