ソーラーグレージング®とは、今では日本中で問題となっているメガソーラーなどの大規模太陽光発電では、森林の伐採・抜根、切土・盛土などの乱開発が行われてきました。それに起因する集中豪雨からの土砂崩れや、雑草対策が不十分なために起こるパネル火災などの2次災害も起こり、報道などで連日取り上げられております。
国土の7割弱が森林である日本では、今まで森林の伐採をせずにメガソーラーなどの大規模開発は難しいと考えられています。その中で、森林の次に多いのが農地となるのですが、年々、高齢化や収入の減少による離農で農地も減少してきている問題が起こっております。弊社では日本の食料自給率UP、エネルギー自給率UPを目指しており、全国で耕作放棄地や遊休地となっている牧草地を農地として再生活用できないかと、羊の放牧と太陽光発電を合わせた営農放牧型の太陽光発電システム“自然放牧共生システム ソーラーグレージング®”を考え展開しております。2018年より徐々に農地として再生し、現在では1000ha以上の再生を達成いたしました。また元々牧草地ですので、大きな木々が無く、乱開発となる木々の伐採・抜根、切土・盛土の必要がないため、自然環境にやさしい共生システムとなると考えております。
「太陽光発電パネル」×「羊の放牧」の相乗効果!
ソーラーグレージング®では、もともと牧草地(農地)の上を空間活用して、太陽光パネルを並べて設置しているので、それぞれの良いところの相乗効果を得ることができます。太陽光パネルが有っても無くても、牧草地の牧草面積や生産量は変わらず、また羊の放牧頭数も変わりません。日除けも雨除けもできる太陽光パネルの屋根があり、涼しい中で牧草が食べれるという環境は、アニマルウェルフェア(動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態)に沿った、羊たちにとっても非常に快適でストレスフリーな環境になっております。
また、羊は人のように汗をかくことができず直射日光に非常に弱い動物ですので、太陽光パネルが屋根代わりとなり直射日光や雨を避けることができ、羊たちの健康面を考えてもお互いにWinWinな施設だと考えております。
ソーラーグレージング®では、草刈りに大型の重機などが必要ないため、土壌を荒らすこと無く、自然のままの農地活用が可能となります。特に羊糞には牛糞などと比べても豊富な栄養分を含むため、有機的な土壌に仕上がります。
化学肥料や農薬に頼ると、ミミズや有効微生物が死滅して、土中の生態系が崩れ、土中の保水力や保肥力を失います。そのため数年ごと(約5~7年)に新播する必要があります。好気生物が死滅した牧草地は、化学肥料と農薬無しでは土地は蘇らなくなり、新播は環境破壊にも繋がります。
羊糞などは天然肥料として活用でき、含まれる成分に窒素、リン、カリウムなどの重要な植物栄養素があります。さらに、植物の成長に不可欠な、その他の微量栄養素とミネラルが含まれています。有機物を多く含むこともあり、これは、土壌構造を改善し、水と栄養素を保持する能力を高めるのに役立ちます。
海外の大学の研究では、太陽光パネルが強い直射日光を遮り、結露により周辺に水分が自然に供給され、牧草の栄養価(タンパク質含有量)が高まるといった調査結果があります。また弊社は両面パネルを採用しているため、太陽光パネルの遮光で牧草自体も柔らかくなり、羊たちも消化・栄養吸収が良く、羊の増体率が上がります。
アニマルウェルフェアにも配慮した、ストレスフリーな放牧で動物たちが健康な心身で過ごせる快適な環境を目指しております。アニマルウェルフェアは世界的な潮流とともに日本国内企業の取り組みも進んでおり、消費者のニーズも高まりつつあります。