
ソーラーグレージング®とは、営農型の放牧(羊)と再生可能エネルギーの太陽光発電を組み合わせたゼブラグリーン発電(経済性だけではなく社会貢献や次世代のグリーンエネルギーを活用した持続可能な発電)になります。
国土の7割弱が森林である日本では、今まで森林の伐採をせずにメガソーラーなどの大規模開発は難しいと考えられています。その中で、森林の次に多いのが農地となるのですが、年々、高齢化や収入の減少による離農で農地も減少してきている問題が起こっております。弊社では日本の食料自給率UP、エネルギー自給率UPを目指しており、全国で耕作放棄地や遊休地となっている牧草地を農地として再生活用できないかと、羊の放牧と太陽光発電を合わせた営農放牧型の太陽光発電システム“自然放牧共生システム ソーラーグレージング®”を展開しております。2018年より、耕作放棄地を徐々に再生し、現在では1000ha以上のみなし農地として再生を達成しました。また元々牧草地ですので、大きな木々が無く、乱開発となるような木々の伐採・抜根、切土・盛土の必要がないため、自然環境にやさしい自然共生システムとなると考えております。
日本初!再エネ敷地内での環境省「自然共生サイト」第一期認定事例!
2025年9月30日、環境省「自然共生サイト」第一期認定者として、当社の「白糠ソーラーグレージング発電所」(北海道白糠町)敷地内で「釧路白糠渓畔林保全活動実施計画」が認定されました。太陽光発電所敷地内での「自然共生サイト」制度認定は、日本では初めてとなります。(※当社調べ) 2025年4月より施行された「生物多様性増進活動促進法」の認定新制度上では、再エネ業界全般でも初めての制度認定となります。
2025年4月より施行された「生物多様性増進活動促進法」の認定新制度上では、再エネ業界全般でも初めての制度認定となります。
弊社では、30by30のロードマップを遵守して、自然共生、生物多様性、動物福祉に貢献しながら、遊休地(耕作放棄地・空き地・廃校跡地・未利用地・雑木林など)の利活用として、再生可能エネルギー自給率アップと食料自給率アップを進めております。
環境省は、ネイチャーポジティブの実現に向けた取組の一つとして、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取組を行い。また、保護地域との重複を除いた区域を、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)として国際データベースに登録されます。
「太陽光発電パネル」×「羊の放牧」の相乗効果!
ソーラーグレージング®では、もともと牧草地(農地)の上を空間活用して、太陽光パネルを並べて設置しているので、それぞれの良いところの相乗効果を得ることができます。太陽光パネルが有っても無くても、牧草地の牧草面積や生産量は変わらず、また羊の放牧頭数も変わりません。日除けも雨除けもできる太陽光パネルの屋根があり、涼しい中で牧草が食べれるという環境は、アニマルウェルフェア(動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態)に沿った、羊たちにとっても非常に快適でストレスフリーな環境になっております。
また、羊は人のように汗をかくことができず直射日光に非常に弱い動物ですので、太陽光パネルが屋根代わりとなり直射日光や雨を避けることができ、羊たちの健康面を考えてもお互いにWinWinな施設だと考えております。
ソーラーグレージング®では、草刈りに大型の重機などが必要ないため、土壌を荒らすこと無く、自然のままの農地活用が可能となります。特に羊糞には牛糞などと比べても豊富な栄養分を含むため、有機的な土壌に仕上がります。
化学肥料や農薬に頼ると、ミミズや有効微生物が死滅して、土中の生態系が崩れ、土中の保水力や保肥力を失います。そのため数年ごと(約5~7年)に新播する必要があります。好気生物が死滅した牧草地は、化学肥料と農薬無しでは土地は蘇らなくなり、新播は環境破壊にも繋がります。
羊糞などは天然肥料として活用でき、含まれる成分に窒素、リン、カリウムなどの重要な植物栄養素があります。さらに、植物の成長に不可欠な、その他の微量栄養素とミネラルが含まれています。有機物を多く含むこともあり、これは、土壌構造を改善し、水と栄養素を保持する能力を高めるのに役立ちます。
海外の大学の研究では、太陽光パネルが強い直射日光を遮り、結露により周辺に水分が自然に供給され、牧草の栄養価(タンパク質含有量)が高まるといった調査結果があります。また弊社は両面パネルを採用しているため、太陽光パネルの遮光で牧草自体も柔らかくなり、羊たちも消化・栄養吸収が良く、羊の増体率が上がります。
アニマルウェルフェアにも配慮した、ストレスフリーな放牧で動物たちが健康な心身で過ごせる快適な環境を目指しております。アニマルウェルフェアは世界的な潮流とともに日本国内企業の取り組みも進んでおり、消費者のニーズも高まりつつあります。